ノーリフトとは
かつて、オーストラリアでは看護師の身体疲労による腰痛により離職者が増え、深刻な看護師不足に陥りました。そこでオーストラリア看護連盟が、看護師の腰痛予防対策として1998年にノーリフト®を開始しました。「押さない・引かない・持ち上げない・ねじらない・運ばない」いわゆるノーリフティングポリシーを宣言しました。
玖珠会におけるノーリフトケアの取り組み
国内では2013年に「職場における腰痛予防対策指針」が改定され、『人力での抱え上げは、原則行わせない。リフトなど福祉機器の活用を促す』ことが明示されました。
当法人においても、ノーリフトケアが導入されるまではすべて人力での介護を行い、職員の身体的負担が大きい状況でした。現在では、日本ノーリフト協会の法人会員となり、『ノーリフトケアコーディネーターのベーシック・アドバンスプログラム』を修了した理学療法士を中心に腰痛対策チームを結成し、職場の腰痛チェックや対策、ケア技術習得の研修会開催や指導などに取り組み、利用者様・職員双方にとって優しいケアの提供に努めています。
ノーリフト®導入の経緯
2018年
4月 ノーリフティングケア委員会発足
8月 職員全員へのスライディングシート配布と使用方法の指導
10月 トイレへの移動式手すり設置、スライディングボードの追加購入
2019年
2月 乗り移りに使用する床走行式リフト1台のリース開始
10月 職場環境保全・衛生委員会内に腰痛対策チームを発足し、毎月の腰痛チェックや対策の検討開始
11月 立ち上がりを補助するスタンディングマシン2台の購入
12月
- 特養各階の浴室に天井走行リフト設置
- 座ったまま入浴できるリフト付シャワーキャリー2台の購入
- 昇降機能がついたシャワー浴や洗身ができるシャワートロリー2台の購入
- 乗り移りに使用する床走行式リフト1台の追加購入
2020年
3月 乗り移りしやすいリクライニング式車椅子6台の購入
9月 乗り移りしやすいモジュラー型車椅子6台の購入